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北村建築のよもやま話~ 🧱外壁・屋根・防水:劣化診断と塗装/張替の判断軸~

皆さんこんにちは!

有限会社北村建築の更新担当の中西です。

 

 

1. 劣化診断:症状から原因へ 🔎
• 外壁の症状:チョーキング、ヘアクラック、シーリングの痩せ、苔。サイディングは目地破断、モルタルは乾燥収縮を疑う。
• 屋根の症状:反り・割れ・釘浮き・苔。板金はサビとジョイントの劣化。瓦はズレと棟の固定不良。
• 防水の症状:立上りの割れ、ドレン詰まり、膨れ。階下の天井シミやクロスの膨れは緊急対応が必要。

 

2. 外壁の選択肢:塗装・重ね張り・張替 🎨
• 塗装:下地が健全であること、シーリング再施工が前提。素地調整(高圧洗浄・ケレン・下塗)→中塗→上塗。樹脂はシリコン・フッ素・無機など用途で選定。
• 重ね張り:既存の上に新サイディング。防火・重量・開口寸法に注意。既存の不陸は胴縁調整で吸収。
• 張替:下地腐朽や漏水履歴がある場合に。防水紙・通気層・胴縁を最新仕様に更新する。

 

3. 屋根:下葺きと役物が要 🏗️
• 防水紙:重ね幅・立上り・捨て谷・雨押えの連続性。強風地域は留め付けを強化。棟・谷・ケラバの処理で寿命が決まる。
• 仕上材の選び方:金属は軽量で耐震性に寄与、スレートはコスパ、瓦は長寿命だが重量に注意。地域と構造を見て選ぶ。
• 換気:小屋裏の吸気(軒)から排気(棟)へ。野地温度を下げ、結露を抑制。夏の冷房負荷も低減。

 

4. 防水(バルコニー・陸屋根):ディテールが九割 💧
• 材料:FRP・ウレタン・塩ビシート。立上りの最低高さ、入隅の補強、改修ドレンの適切な選定を守る。
• ドレン:落ち葉や砂埃で詰まるため、脱着清掃しやすい部材とする。緊急排水のためのオーバーフローを設ける。
• 勾配:最低勾配を確保。水たまりは劣化を促進。目視で水平に見えても勾配が必要。

 

5. 雨仕舞い:入れない、入っても出す 🛠️
• 開口部:サッシ四周の一次・二次防水。防水テープの上下順を逆にしない。下部は水返しを設ける。
• 取り合い:外壁とバルコニー、防水と笠木、屋根と壁。捨て板金とシーリングの位置と連続性が鍵。
• 貫通部:エアコンや配管。スリーブと防水・気密で将来の交換にも対応。

 

6. 季節配慮とメンテ 🍃
• 塗装の気温・湿度条件を守る。雨期は乾燥時間に余裕を。強風日は飛散養生を二重化。
• 定期点検:年一回のドレン清掃、二〜三年ごとのシーリング点検。

 

7. 予算・工期の目安 💰⏱️
• 外壁塗装(延床三十坪前後)八十〜百六十万円、十〜十四日。
• 重ね張り百五十〜三百万円、十〜二十日。
• 屋根カバー工法(金属)百二十〜二百五十万円、七〜十四日。
• ベランダ防水十〜四十万円、一〜三日。

 

8. ケーススタディ 🧩
課題:外壁の目地割れ、室内の壁紙の浮き、雨天時に天井シミ。
解決:外壁は張替を選択し通気層と防水紙を更新。サッシ周りの一次・二次防水をやり直し。屋根は棟換気を追加。
効果:雨漏り再発ゼロ。夏の小屋裏温度が下がり冷房効率が向上。✨

 

9. チェックリスト ✅
☐ 劣化症状と原因仮説を整理
☐ 塗装・重ね張り・張替の判断理由が明確
☐ 屋根の下葺きと役物のディテールを確認
☐ 防水の立上り・入隅・ドレン・オーバーフローを確認
☐ 雨仕舞いの一次・二次とテープ順序を確認
☐ 季節と天候の施工条件、飛散養生の計画

 

まとめ:外皮は表面の化粧ではなく水の動線設計。入れない、入っても出すの原則を守り、下地から健全化すれば、見た目も性能も長持ちする。🧱✨