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北村建築のよもやま話~🏠 バルコニー/ベランダ~

皆さんこんにちは!

有限会社北村建築の更新担当の中西です。

 

 

🏠 バルコニー/ベランダ防水:雨漏りゼロの作り方

 

① 現況診断と原因仮説の立て方 🔍

症状メモ

  • 天井シミの位置

  • 雨天時のみ発生か

  • 連続雨で悪化するか

  • 風向の影響

  • 排水滞留の有無

📸 写真と併せ、雨量・風向も記録!

典型的な原因

  • 立上り高さ不足(サッシ下や笠木基部)

  • 入隅補強不足(クロス方向の割れ)

  • ドレン詰まり(落ち葉・砂)や改修ドレン不良

  • 笠木の継ぎ目・ビス穴からの浸入

  • タイル直貼りによるひび割れ浸水

診断手順

  1. 目視調査

  2. 赤外線/含水計チェック

  3. 局所撤去

  4. 散水試験(上流から順に)
    → 原因部位を特定!


② 勾配・排水:水は重力に従う ⛳

  • 勾配は 1/100〜1/50 を確保。

  • わずかな凹みでも水たまり→劣化を加速。

  • 排水口(ドレン)は最下点へ配置。

  • 清掃しやすい脱着式ルーフドレン採用。

  • 詰まり対策に オーバーフロー排水 を設置。

  • 雨だまりはパテ補修でなく、下地から面調整


③ 材料別の選び方と向き・不向き 🧰

材料 特徴・適性
FRP 硬くて強い。小〜中面積向き。入隅補強と継ぎ目処理が重要。直射日光に強いが下地の動きに弱い。
ウレタン塗膜 継ぎ目なしで複雑形状に強い。膜厚管理とピンホール対策がカギ。トップコート更新で寿命延長。
塩ビシート 面安定性・耐候性◎。広面積や陸屋根に最適。立上り溶着の品質で差が出る。
改質アスファルト 屋上の定番。熟練した施工技術が必要。

④ 端部・入隅・立上り・貫通部のディテール 🧱

  • 立上り高さ:外壁側200mm以上/サッシ下100mm以上

  • 入隅:増し張り・コーナーパッチで補強。シートはR処理。

  • 貫通部:配管はスリーブ+シール+押え金物で三重防水。

  • 笠木:逆勾配防止の水返し設置。ビスは防水ブチル+キャップ処理。


⑤ サッシ・開口部との取り合い 🚪

  • 掃き出しサッシ下枠は 水切り金物+立上り連続

  • 段差ゼロを狙う場合は 排水溝やグレーチング で逃げ道を確保。

  • サッシ交換時は一次防水(外側)と二次防水(内側)の整合を守る。


⑥ タイル・ウッドデッキ併用時の注意 🌳

  • タイル:防水層の上に浮かせて施工。直貼りはNG(ヘアクラック→浸水)。

  • ウッドデッキ:束・ビス貫通部がリスク。点接地構造で清掃性を確保。


⑦ 施工フロー(改修例) 🗂️

  1. 養生・近隣挨拶

  2. 既存防水撤去・下地補修

  3. 勾配調整

  4. 立上り・入隅補強

  5. 本体施工

  6. 笠木・端部処理

  7. 改修ドレン/オーバーフロー設置

  8. トップコート

  9. 散水試験

  10. 取説・保証書引渡し


⑧ マンションでの注意 🏢

  • 管理規約・作業時間・共有部養生を遵守。

  • 外観変更の可否を確認。

  • 共用縦管にゴミを流さない運用を徹底。


⑨ メンテナンス計画 🧹

  • 半年に1回:ドレン清掃

  • 年1回:トップコート点検

  • 台風後:散水テストで早期異常検知


⑩ 予算・工期の目安 💰⏱️

工法 費用目安 期間
FRP防水 10〜30万円(3〜8㎡) 1〜2日
ウレタン防水 12〜35万円 1〜3日
塩ビシート防水 18〜50万円 2〜4日
改修ドレン/オーバーフロー 2〜8万円/箇所

⑪ ケーススタディ 🧩

課題:掃き出しサッシ下からの漏水+中央に水たまり
原因:下地凹み・立上り不足・ドレン詰まり
対策

  • 下地全面レベリング

  • 立上り200mm確保

  • 改修ドレン+オーバーフロー新設

  • 散水試験で検証

効果:豪雨でも漏水ゼロ🌧️/清掃頻度・不安が大幅低下✨


⑫ チェックリスト ✅

☐ 立上り・入隅・端部の補強
☐ 勾配1/100以上・水たまりなし
☐ ドレン清掃性・オーバーフロー有
☐ サッシ下の一次/二次防水整合
☐ 笠木継ぎ目・ビス穴の止水
☐ 散水試験実施&写真記録


💡まとめ

ベランダ防水は「材料」よりも「ディテール」が勝負!
入れない・入っても出す・点検を仕組みに。
これが雨漏りゼロの基本原則です。🏠💦