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北村建築のよもやま話~自然素材(無垢・漆喰・珪藻土)~

皆さんこんにちは!

有限会社北村建築の更新担当の中西です。

 

 

自然素材(無垢・漆喰・珪藻土):心地よさとメンテナンス

 

① 無垢フローリング:足触りと香り

  • 樹種別の特徴
      オーク:万能で安定性◎
      ウォルナット:重厚で深みある色合い
      チェリー:経年で飴色に変化
      パイン:柔らかく温かみのある肌触り

  • 仕上げの違い
     ・オイル仕上げ:呼吸を妨げず再塗装で再生可能
     ・ウレタン仕上げ:汚れに強いが光沢が出やすい
     ・自然オイル+ワックス:マットで上質な風合い

  • 注意点
      水染み/☀️ 日焼け/️ 反りに注意
     → 水拭きは固く絞る/窓際はUV対策/湿度40〜60%を維持

  • メンテナンス
      小傷:サンド+再塗装で修復
      深い凹み:スチーム+アイロンで繊維を復元(裏ワザ)


② 漆喰・珪藻土:調湿と陰影の美

  • 漆喰:アルカリ性でカビに強く、「白の抜け」が魅力。
     照明で映えるコテ跡の陰影が美しい。

  • 珪藻土:多孔質で調湿力◎。消臭効果もあるが、水には弱い。

  • 下地処理
      メッシュ補強/伸縮目地/ジョイントの丁寧なパテ処理が割れ防止に有効。

  • 汚れ対策
     ・腰高まで撥水クリア塗装
     ・洗面・キッチン周りは不燃パネルに切替
     ・落書きは専用クリーナーで軽減 ️


③ 自然系壁紙・和紙・布

  • 和紙壁紙:柔らかい光の拡散で上質な印象。撥水加工で手垢防止。

  • 布壁紙:吸音性が高く、帯電防止タイプでホコリ軽減。

  • 施工のポイント:目透かしや重ねしろ精度が仕上がりを左右。


④ タタミ・コルク・竹

  • :い草の香りと弾力。縁なし畳でモダンに。湿気・日焼け対策を。

  • コルク:断熱・防音・足触りに優れ、傷の復元も容易。水回りは避ける。

  • :硬く強く、和モダンに好相性。表面模様をデザインの一部に活かす。


⑤ 組合せとゾーニング ️

空間 床材 壁材・仕上げ 特徴
LDK 無垢フローリング(主要動線にラグ) 漆喰・珪藻土+腰高撥水、不燃パネル併用 明るく通気性◎
寝室 木質 or コルク 紙系・珪藻土 2700K照明でリラックス
洗面・玄関 タイル or フロアタイル 腰高まで撥水塗装 汚れ防止と清潔感

⑥ コスト・環境・認証

  • コスト目安
     無垢材は挽板・突板より高価だが、巾・長さ・等級で調整可。
     節有や再利用材でコスパ向上。

  • 環境対応
      F☆☆☆☆・低VOC仕様を選定。
      森林認証(FSC/PEFC)取得でトレーサブルに。

  • 断熱・気密の考え方
     自然素材自体は断熱材ではない。
     → 外皮性能で断熱を確保し、仕上げ材で快適性をプラス。


⑦ 予算・工期の目安 ⏱️

内容 費用目安 工期
無垢床(6畳) 15〜45万円 2〜3日+乾燥/養生
漆喰・珪藻土(6畳壁天井) 12〜35万円 2〜4日
自然系壁紙 8〜20万円 1〜2日

⑧ ケーススタディ

課題:LDKの湿気と匂い、掃除の手間が多い。
解決策

  • 床をオーク無垢オイル仕上げに

  • 壁を珪藻土+腰高撥水に変更

  • キッチン周りを不燃パネル仕上げ

  • ラグで動線を保護

効果
️ 梅雨時のベタつき軽減
匂いの滞留も減少
半年に一度のオイルメンテで愛着UP


⑨ チェックリスト ✅

☐ 水・油・日射の強い箇所は異素材で切替
☐ 下地の割れ・不陸対策と施工条件の確認
☐ 保護・撥水・メンテナンス計画の明確化
☐ 家具脚・ラグ・巾木との干渉チェック
☐ 認証・低VOCのエビデンス確認


まとめ

自然素材は「丁寧に歳を重ねる」楽しみ。
場所と使い方を見極めれば、
傷も染みも“わが家の履歴”として輝く。✨