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日別アーカイブ: 2025年11月17日

北村建築のよもやま話~成長と働き方に寄り添う~

皆さんこんにちは!

有限会社北村建築の更新担当の中西です。

 

子ども部屋&在宅ワークスペース:成長と働き方に寄り添う

 

① まず“役割”を決める ✍️

  • 幼少期(遊ぶ・片付ける・眠る)
      視界に入りやすいオープン収納で「自分で戻す」を習慣化。
      角R加工、安全マット、誤飲対策を徹底。

  • 小中期(勉強・睡眠・趣味)
      机の正面は壁にして集中力UP。家族の目が届く半個室が理想。

  • 高校〜(プライバシー確保)
     扉+遮音、LAN・電源の独立化、換気強化。

  • 在宅ワーク(集中・Web会議・資料保管)
     音・視線・背景をコントロールし、長時間の快適性を確保。


② レイアウト:回遊と“分割/統合”を見据える

  • 2人兄弟の一室:将来分割を想定し、可動間仕切+天井下地の補強。

  • ベッド配置:窓下(結露・冷気)とエアコン直風を避ける。壁沿いに配置し、照明・電源を手の届く位置に。

  • 学習机
     ・手元照明は左上(右利きの場合)
     ・机奥行:600〜700mm
     ・モニタ位置:目線よりやや下

  • ワーク席
      カメラがドア方向を向かないよう配置。背面は壁や本棚で背景を整える。


③ 収納設計:定位置の科学

  • 可動棚ピッチ:30mm単位で調整。

  • 寸法目安
     ・教科書・A4ファイル:奥行350mm
     ・衣類収納:奥行600mm

  • 使いやすさの工夫
      ラベリングと色分けで“考えず戻せる”。
      下段=ランドセル/中段=日常/上段=季節物。

  • 空間効率:造作ベッド下収納や小上がり活用。ただし湿気逃げスリットを確保。


④ 音環境:遮音+吸音の二段構え

  • :石膏ボード二重+グラスウール充填。コンセント背中合わせは避ける。

  • :集合住宅では遮音等級適合材を使用。ラグやカーペットタイルで足音・反響を調整。

  • 天井:会議が多いワーク席には吸音パネル・有孔ボードを採用。


⑤ 光環境:演色と眩しさ制御

  • 照明色温度
     ・学習:4000K前後
     ・リラックス:2700〜3000K
      演色性Ra90前後で自然な色味を再現。

  • グレア(眩しさ)対策
     モニタに直射が当たらない配置に。
     ブラインドやロールスクリーンで光を拡散し、壁洗い照明で影を柔らげる。

  • ナイトライト
      足元に微光を設置し、夜間の転倒防止。


⑥ 空気と温熱:頭が冴える“空気の質” ️❄️

  • 換気:24時間換気+局所換気(在宅時は弱→強切替)。
     CO₂濃度1000ppm以下を目安。

  • エアコン:容量適正・風向制御。
     直風を避け、サーキュレータで部屋全体を撹拌。

  • 冬季:足元温度を優先、ドラフト防止に内窓やカーテンボックス。

  • 加湿器:結露しやすい窓際から離して配置。


⑦ IT・電源・セキュリティ:仕事品質を担保

  • LAN:会議が多いなら有線LANを1ポート確保。将来用に空配管も準備。

  • 電源:机上2口+足元4口が目安。ケーブルトレイで床配線ゼロに。

  • 情報保護
      背景に家族動線が映らないようゾーニング。
     鍵付きキャビネットで機密書類を管理。


⑧ 安全・衛生:ケガとアレルゲンを減らす

  • 安全対策:角R仕上げ・飛散防止フィルム・耐震ラッチを標準装備。
     手すりやロフト梯子は滑りにくい仕上げに。

  • 衛生対策:低VOC建材・拭き取りやすい壁材採用。
     タイルカーペットで部分洗いが可能。


⑨ 予算・工期の目安 ⏱️

内容 費用目安 工期
子ども部屋(内装+造作収納) 20〜80万円 3〜7日
可動間仕切+吸音施工 30〜120万円 5〜10日
ワークスペース(デスク造作+照明+LAN) 15〜60万円 2〜5日

⑩ ケーススタディ

課題:LDK隣接の学習&ワークスペースで集中できず、背景に生活感が出る。
対策

  • 可動間仕切+吸音層で半個室化

  • 壁洗い照明+本棚で背景整理

  • 有線LAN+配線トレイで足元スッキリ

効果
会議時の音切れ・反響が減少。
学習時間の集中度UP。


⑪ チェックリスト ✅

☐ 将来の分割/統合方針と下地補強
☐ 机の寸法・照明位置・眩しさ対策
☐ 遮音+吸音の併用確認
☐ 換気量・風向・CO₂管理
☐ LAN・電源・配線マネジメント
☐ 安全(角R/フィルム/耐震)+衛生材の選定


まとめ

子どもの成長も働き方も、「変化する」のが前提
可変性 × 環境三点セット(光・音・空気) × 配線余力を備えれば、
模様替えのたびに “家が味方になる空間” に進化します。✨